まさに至高の日常アニメ。
日常、キャラクター、そして“飯”。
どの要素を取っても、いい意味でやりすぎていない。
だからこそ、じわじわと面白さが染みてくる——
それが『日々は過ぎれど飯うまし』です。
日々は過ぎれど飯うまし 評価
最近のアニメは、胸キュン要素や波瀾万丈な展開で
一気に視聴者を惹きつける作品が多い印象があります。
もちろんそれも魅力的で、心を大きく揺さぶってくれる楽しさがあります。
ただ、その一方で。
この作品のように、安心して、まったりと見続けられるアニメは、
見ているうちに自然と心が温まり、
張りつめていた緊張がふっとほどけていく感覚があって、
やっぱり好きだな、と素直に思わされました。
日々は過ぎれど飯うまし 評価:少し前のブームでも強い理由
2010年代前半、「けいおん!」のヒットをきっかけに、
いわゆる“日常アニメ”が多く生まれました。
しかしそのブームはやがて落ち着き、
現在では趣味特化型の作品が主流になった印象があります。
そんな流れの中で本作が注目された理由のひとつが、
『のんのんびより』のスタッフが再集結し、
オリジナルアニメとして制作されたという点でしょう。
実際に見てみると、
キャラクター同士の距離感の心地よさ、
やさしいタッチの絵柄、
クスッと笑えるギャグの安定感——
どれも「わかってるな」と感じさせてくれる完成度です。
日常アニメというジャンルが一度ブームを終えた今だからこそ、
こうした丁寧さと安定感が、逆に強い武器になっているように思います。
日々は過ぎれど飯うまし 評価:リピートしたくなる日常アニメ
派手な事件は起きない。
大きな目標が最初からあるわけでもない。
それでも、気づけば彼女たちを応援していて、
ごはんを食べるシーンに、なぜか心がほどけていく。
ギャグはしっかり笑えるのに、空気は終始やさしい。
肩の力を抜いて、何も考えず、ただ流して見られる。
そんな時間をくれる、癒しそのものの作品です。
サプライズや予想外の展開は、確かに一度きりの切り札として強力です。
心が踊るし、刺激的で、記憶にも残る。
でも「また見返したいな」と思う作品は、
意外とそういう要素が少ないものだったりします。
その点、『日々は過ぎれど飯うまし』は、
美味しそうなご飯というテーマも相まって、
何度でも戻ってきたくなる心地よさがあります。
派手さはない。
でも、確かな安心感がある。
だからこそこの作品は、
日常アニメとして、とても“強い”一作だと感じました。
日々は過ぎれど飯うまし 評価:飯の表現の「音」が丁寧
第一話で描かれる、主人公・河合まこがソースカツ丼を食べるシーン。
正直、この場面で
「このアニメ、ただの日常モノじゃないな」と確信しました。
とにかく印象に残ったのが、咀嚼音。
サクッ、モグッ、という音が主張しすぎることなく、
それでいて料理の美味しさをしっかり引き立てている。
見た目が美味しそうな“アニメご飯”は、これまでにも数多くありました。
でも、音まで含めて、ここまで食欲を刺激されたのは正直初めてです。
きっと評価すべきなのは音だけではありません。
食べるまでの間や、箸を運ぶテンポ感、
間の取り方そのものが心地よく、
「料理のシーンに本気で力を入れている」という姿勢が、はっきり伝わってきました。
ちなみに、
一人飯にまだ慣れていない“まこっち”が、
そっと手を挙げて注文するあの仕草。
あそこは完全にクスッとポイントでしたね(笑)
さらに言えば、
マグカップを机に置く音、食器が軽く触れ合う音。
どれも不思議と耳に残り、
食事の時間そのものが心地よい“日常”として描かれている。
この作品の飯描写は、
「美味しそう」では終わらせない。
音で、空気で、感覚ごと味わわせてくれる——
そんな丁寧さが詰まっていると感じました。
日々は過ぎれど飯うまし 評価:まったりキャンパスライフにもしっかり成長がある
この作品は、一見すると「ご飯アニメ」に見えます。
でも実際には、ご飯そのものが主役というより、
彼女たちの出会いや成長の“きっかけ”として使われている点が、とても絶妙です。
最初から「ご飯が大好き!」なメンバーが集まったサークルではなく、
なんとなく、テキトーに作られた食文化研究部。
だからこそ、目的意識もバラバラで、距離感も少しずつ縮まっていく。
その過程で生まれる、
ゆるくて、温かくて、ちょっと不器用なキャラクター同士のハーモニーが、
より現実味を帯びて感じられ、
共感できる場面や笑えるポイントも自然と増えていきます。
特に印象的なのが、主人公・河合まこの変化。
最初は“ぼっち”を貫こうとしていた彼女が、
仲間と出会い、
「みんなともっと思い出を作りたい」と思うようになる。
その成長は決して大げさではなく、
大学生らしい、ごく自然で等身大なもの。
だからこそ見ていて心が温まり、
思わず応援したくなってしまいます。
まったりした日常の中にも、ちゃんと前に進む物語がある。
癒しだけで終わらせないのが、
『日々は過ぎれど飯うまし』という作品の強さだと感じました。
なぜ男っ気がなくても成立するのか・・・
この作品には、恋愛要素がありません。
それでも物語が退屈に感じないどころか、
むしろ最後まで心地よく見続けられる。
その理由はシンプルで、
物語の軸が「誰かに好かれること」ではなく、
「誰かと一緒に過ごすこと」に置かれているからだと思います。
彼女たちの会話は、誰かを意識して背伸びするものではなく、
日常の延長線にある、等身大のやり取り。
沈黙すら気まずくならない関係性が、
画面越しにも自然に伝わってきます。
また、男キャラがいないことで、
誰かが“ヒロイン役”や“恋愛要員”に固定されることもありません。
5人全員がそれぞれのペースで悩み、笑い、成長していく。
そのバランスの良さが、物語全体の安定感につながっています。
何かを競うわけでも、
誰かに勝つ必要もない。
ただ一緒にご飯を食べて、話して、同じ時間を共有する。
それだけで十分に面白く、
十分に満たされる——
そんな関係性を描いているからこそ、
男っ気がなくても、この作品はしっかり成立しているのだと思います。
むしろ恋愛要素がないからこそ、
人との距離感や空気のやさしさに、
より深くフォーカスできている。
『日々は過ぎれど飯うまし』は、
恋愛を描かなくても、日常はこんなにも豊かだ
と教えてくれる作品でした。
日々は過ぎれど飯うまし 総合評価・おすすめしたい人
『日々は過ぎれど飯うまし』は、
派手な展開や強い刺激で引っ張るタイプのアニメではありません。
丁寧な音の演出、
やさしい絵柄、
等身大で心地いいキャラクター同士の距離感。
そして、ご飯を通して少しずつ育っていく関係性。
そのすべてが、「日常をそのまま肯定してくれる」方向に揃っています。
ご飯は主役になりすぎず、
でも確かに物語を前に進めるきっかけになっている。
恋愛に頼らず、
一緒に過ごす時間そのものを大切に描いている。
まったりした空気の中でも、
ちゃんと小さな成長が積み重なっていく。
だからこそこの作品は、
見ているうちに心が整っていくような、不思議な心地よさがあります。
こんな人におすすめしたい
-
忙しくて、強い刺激のある作品に少し疲れている人
-
寝る前に、安心して流せるアニメを探している人
-
「のんのんびより」や、やさしい日常アニメが好きな人
-
ご飯シーンを“飯テロ”ではなく、癒しとして楽しみたい人
-
恋愛要素がなくても、ちゃんと満たされる作品を求めている人
逆に、
怒涛の展開やサプライズを常に求める人には、
少し物足りなく感じるかもしれません。
でも、
今日は何も起きなくていい。
ただ、穏やかな時間を過ごしたい。
そんな気分の日にこそ、
『日々は過ぎれど飯うまし』は、そっと寄り添ってくれる。
日常アニメとして、そして“癒しの時間”として、
とても完成度の高い一作でした。


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